きたかみ腎クリニック

腎臓病の「塩分制限」実践ガイド:1日6g以下を無理なく続けるための具体的なコツ

2026/05/10

減塩しょうゆ、減塩みそ、レモン、お酢を木のトレーに並べた、腎臓病の減塩食をイメージした明るくシンプルなサムネイル画像。

「塩分を控えてください」と言われても、具体的にどうすれば1日6g以下に抑えられるのか、多くの患者さんが途方に暮れます。日本人の平均的な塩分摂取量は約10g前後とされており、6gまで減らすのは最初から簡単ではありません。

しかし、コツさえ押さえれば、食事の楽しみを大きく損なわずに続けることは十分に可能です。今回は、きたかみ腎クリニックが「今日から実践できる減塩のコツ」をご紹介します。

1. なぜ腎臓病に塩分制限が必要なのか

塩分(ナトリウム)を多く摂ると、血液中のナトリウム濃度を下げるために体内の水分量が増加します。これが血圧の上昇を招き、腎臓の細い血管に直接的なダメージを与えます。

腎臓は高血圧に非常に弱い臓器です。塩分制限は単なる「体への優しさ」ではなく、腎機能の低下スピードを遅らせるための最重要課題と言えます。

CKDのステージに関わらず、すべての段階で塩分制限(目標:1日6g未満)が推奨されています。


2. 1日6gとはどれくらいか?まず現状把握から

まず現在の自分の塩分摂取量を知ることが出発点です。

食品・調味料目安量食塩相当量
醤油大さじ1(15ml)約2.6g
味噌大さじ1(18g)約2.2g
ラーメン(スープ込み)1杯約6〜8g
うどん(汁あり)1杯約5〜6g
梅干し1個(10g)約2g
食パン1枚(60g)約0.8g
カップ麺1個約5〜7g

ラーメン1杯で、すでに1日分の塩分を超えてしまいます。まずは「汁物を飲み干さない」「麺類の頻度を減らす」だけでも大きな効果があります。


3. 減塩の「考え方」を変える:禁止でなく工夫

「あれもこれも禁止」と考えると続きません。 大切なのは次の考え方です。

  • 「ゼロにする」でなく「量を減らして、うまみを足す」
  • 「薄味に慣れる」でなく「素材の味を引き出す」
  • 「全部変える」でなく「一番塩分の多いものから変える」

ストレスなく長続きする減塩こそが、腎臓を守る最良の方法です。


4. 食材・調味料の選び方

避けるべき高塩分食材

  • 漬物・梅干し・たらこ・明太子・塩辛
  • 加工肉(ハム・ベーコン・ウインナー)
  • インスタント麺・カップ麺
  • 市販のスープ・鍋のもと・合わせ調味料

減塩の味方になる食材

  • だし(昆布・かつお):うまみが濃く、塩分が少ない調理が可能に
  • 柑橘類(レモン・ゆず・酢):酸味が塩味の代わりになる
  • 香辛料(コショウ・山椒・唐辛子):少量で風味を加えられる
  • ごま・ナッツ(少量):コクと満足感を補う

調味料の選び方

  • 醤油は「減塩醤油」に切り替える(塩分が通常の半分程度)
  • 味噌も「減塩みそ」が市販されている
  • 「塩」そのものの量を意識して計量スプーンで量る習慣を

5. 調理の工夫で減塩しながら美味しく

(1)だしをきかせる 昆布・かつお・しいたけなどのうまみ成分(グルタミン酸・イノシン酸)は、塩味の感度を高める効果があります。きちんとだしをとるだけで、塩分を減らしても満足感が得られます。

(2)酸味を活用する 醤油にレモン汁や酢を少量混ぜるだけで、風味が豊かになり少量でも「味がある」と感じやすくなります。

(3)「仕上げにかける」スタイルへ 煮物などを作る際に最初から醤油を入れるより、仕上げに少量だけかけるほうが、少ない量でしっかり塩味を感じられます。

(4)香味野菜・薬味を使う しょうが・にんにく・ねぎ・三つ葉・みょうがなど香味野菜は、風味で食欲を補います。塩分ゼロで料理に変化をつけられます。


6. 外食・コンビニでの塩分コントロール

外食や中食(コンビニ)でも、工夫次第で塩分を抑えられます。

  • 麺類は汁を残す(汁を飲まなければ2〜3g節約できます)
  • 定食系を選び、汁物(味噌汁)は量を控える
  • コンビニのおにぎりは食塩量を確認して選ぶ(鮭より梅が多い場合も)
  • ドレッシングは別添えにしてもらい、少量だけつける
  • 丼物よりも主菜・副菜が分かれた定食の方がコントロールしやすい

詳しくはこちらもご覧ください。

減塩しょうゆ、減塩みそ、レモン、お酢を木のトレーに並べた、腎臓病の減塩食をイメージした明るくシンプルなサムネイル画像。

まとめ

塩分制限は「禁止事項のリスト」ではなく、「うまみ・酸味・香りを活用して食事を工夫する技術」です。一度にすべてを変えようとせず、まず一番塩分の多い習慣(汁を飲み干す・漬物を毎食食べる等)を一つ変えるところから始めましょう。

当院の管理栄養士が、あなたの食生活に合わせた具体的なアドバイスを行っています。一人で悩まず、ぜひご相談ください。

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